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JOURNAL — AKARI COFFEE / TOKUSHIMA

一杯のコーヒーを焙煎する人たち。アームズメソッドの考え方と、つむぎの利用者さんが担う仕事

アームズコーヒーの考え方を参考に、選別・湯洗い・焙煎・熟成へ。焙煎を担う「つむぎ」の利用者さんの仕事を、実際の写真とともにお届けします。

コーヒーの焙煎は、単に豆を焼くことではない

コーヒーを飲むとき、豆の産地や苦味、香りを気にする方は多いでしょう。一方で、誰がどのように焙煎しているのかを知る機会は、あまり多くないかもしれません。徳島県阿南市のアカリ珈琲では、生豆の選別、50℃のお湯での洗浄、焙煎、熟成という一連の工程を大切にしています。

焙煎前の生豆は一般に緑がかった色をしています。熱を加えることで水分の状態が変わり、糖やアミノ酸などが反応し、コーヒー特有の色や香りが生まれます。同じ豆でも熱の加え方や焙煎時間によって酸味、苦味、コクの感じ方が変わるため、焙煎は味づくりの重要な工程です。

そしてアカリ珈琲では、この重要な焙煎を、就労継続支援B型事業所「つむぎ」の利用者さんが担っています。完成した一杯の背景にある技術と人の仕事を、実際の作業写真とともにご紹介します。

焙煎機を操作するつむぎの利用者さん
焙煎機を操作するつむぎの利用者さん

アームズコーヒーの「調理」という考え方

アカリ珈琲が参考にしているのは、アームズコーヒーの理論・考え方です。アームズメソッドでは、コーヒーを素材の下ごしらえ、加熱、熟成、抽出という流れを持つ「調理」として捉えています。

料理で食材の状態を確かめ、洗い、火を入れるように、コーヒーでも焙煎前後の工程を重視する考え方です。特徴の一つが、生豆を50℃のお湯で洗う下ごしらえ。さらに焙煎中の水分と熱の扱い、焙煎後の熟成にも目を向けます。

これはアームズメソッドの理論に基づく方法であり、すべての豆や抽出法で同じ味が保証されるという意味ではありません。アカリ珈琲では、この考え方を参考に、一杯になるまでの工程を大切にしています。

焙煎前の下ごしらえ。選別と50℃の湯洗い

焙煎は、焙煎機に生豆を入れるところから始まるわけではありません。コーヒー豆は農産物です。一粒ずつ形や大きさ、状態が異なるため、アカリ珈琲では生豆を目で確かめる「ピッキング」を行っています。

この選別にも、つむぎの利用者さんが携わっています。目立たない工程ですが、一粒ずつ確かめる仕事は、商品づくりの土台となります。選別した生豆は50℃のお湯で洗います。一般的には洗わずに焙煎する方法もあるため、湯洗いはすべてのコーヒーに必須の工程ではありません。

それでも私たちは、素材の状態に目を向け、下ごしらえをするという考え方を大切にしています。第2弾のコラムでは選別や洗浄を紹介しました。今回は、その先にある焙煎と、焙煎を担う人の仕事に焦点を当てます。

焙煎を担うのは「つむぎ」の利用者さん

アカリ珈琲では、就労継続支援B型事業所「つむぎ」の利用者さんが、実際に焙煎機を操作しています。豆の選別だけではなく、コーヒーの風味をつくる焙煎そのものを担当しているのです。

就労継続支援B型は、一般企業などでの雇用が難しい方に、雇用契約によらない形で生産活動や働く機会を提供する福祉サービスです。その仕事内容は事業所によってさまざまですが、アカリ珈琲では焙煎がその一つです。

私たちはこの仕事を単なる「お手伝い」として紹介したいわけではありません。焙煎機に向き合い、工程を進め、豆の状態を確かめる。利用者さんは、アカリ珈琲の商品づくりを担う大切なつくり手です。

今回撮影した写真には、操作部に手を伸ばし、焙煎機と向き合う姿が写っています。完成品からは見えにくい仕事だからこそ、その様子をお客様にも知っていただきたいと考えています。

焙煎機の操作部を確認する利用者さん
焙煎機の操作部を確認する利用者さん

焙煎機と豆に向き合う、ものづくりの現場

焙煎機は、スイッチを入れればすべてが終わる道具ではありません。設備の状態や作業手順を確認しながら扱う必要があります。写真に写っているのは、利用者さんが実際に焙煎機を操作し、作業に取り組む姿です。

焙煎後には、豆の状態を確認する工程もあります。写真では、焙煎された豆が入った容器を前に、利用者さんが豆に向き合っている様子がわかります。こうした作業は、お客様のもとに届くコーヒーにつながっています。

私たちが伝えたいのは、作業を特別な物語として飾ることではありません。機械を操作する人がいて、豆を確かめる人がいる。その日々の仕事がアカリ珈琲の一杯を支えているということです。

焙煎された豆を確認する利用者さん
焙煎された豆を確認する利用者さん

焙煎後の熟成も、コーヒーづくりの一部

焙煎機から豆を取り出しても、コーヒーづくりは終わりません。焙煎後の豆からは二酸化炭素などのガスが少しずつ放出され、時間とともに状態が変わります。この変化は抽出にも影響します。

アームズメソッドでは、焙煎後に一定期間置く「熟成」を重視しています。アカリ珈琲でも、焙煎後に熟成期間を設けています。焙煎直後の香りを好む方も、少し時間を置いた味わいを好む方もいます。

適した期間は豆の種類や焙煎、保存環境、抽出方法によって異なるため、一律の正解があるわけではありません。私たちは、お客様が実際に飲むときのことまで考えながらコーヒーづくりに取り組んでいます。

焙煎機に向き合う利用者さん
焙煎機に向き合う利用者さん

ルワンダ産の豆から生まれる、アカリ珈琲の味わい

アカリ珈琲で取り扱うコーヒー豆の生産国はルワンダです。現在販売している豆の商品では、クリアな苦味と深いコク、豊かな香ばしさを特徴としてご案内しています。粉の商品は中挽きでお届けしており、手軽にドリップを楽しめます。

豆のまま購入して飲む直前に挽く楽しみ方もあれば、粉やドリップバッグを使って忙しい時間に一杯を楽しむ方法もあります。どの形でお届けする場合にも、その前には選別、洗浄、焙煎、熟成という工程があります。

米粉100%のシフォンケーキや焼き菓子と一緒に、ゆっくり味わっていただくのもおすすめです。コーヒーが毎日の何気ない時間に寄り添えたら、私たちもうれしく思います。

福祉の仕事としてだけでなく、商品の価値をつくる仕事として

つむぎの利用者さんが焙煎を担当していることは、アカリ珈琲にとって大切な取り組みです。しかし「福祉施設でつくられたから」という理由だけで商品を選んでいただきたいわけではありません。

まず、一杯のコーヒーとしておいしいこと。そして、その背景にある仕事も知っていただくこと。その両方を大切にしたいと考えています。焙煎機を操作すること、豆を確かめること。どちらも商品をつくるための仕事です。

利用者さんの仕事を特別視して飾るのではなく、日々の製造を支える大切な仕事として伝える。その姿勢をこれからも大切にしていきます。

徳島県阿南市から、全国へ

朝の一杯、仕事の合間の休憩、家族や友人と過ごす時間。何気なく飲むコーヒーにも、つくり手の仕事があります。豆を選ぶ人、洗う人、焙煎機を操作する人、豆の状態を確かめる人。その積み重ねが一杯につながっています。

アカリ珈琲では、徳島県阿南市から全国のお客様へコーヒーと米粉のお菓子をお届けしています。離れた場所に暮らす方にも味わっていただき、その背景にあるつむぎの利用者さんたちの仕事にも関心を持っていただけたらうれしいです。

一杯のコーヒーには、豆の個性だけでなく、つくる人の仕事も込められている。これからも私たちは、味わいとものづくりの姿を大切にしながら、全国へお届けしてまいります。

アームズコーヒーの考え方については、アームズコーヒー公式サイトもご参照ください。また、第2弾「一杯のコーヒーができるまで」では、選別や湯洗いについて詳しくご紹介しています。

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